ハンドメイド作家の確定申告 Q&A
お答えします
本来の所得税に加えて、無申告加算税と延滞税がかかります。割合は、税務署の調査の事前通知が来る前に自分から出したか、調査を受けてから出したかで分かれます。売上の記録は販売サイトや委託先にも残っています。
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一解説
販売サイトを通した注文は、運営会社に売上と入金の記録が残ります。ショップを閉じても、運営会社が持っている記録はそのままです。
国税通則法74条の7の2は、電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引について、その場を提供する事業者に、取引者の範囲を定めて氏名・住所・番号の報告を求めることができると定めています。報告を求めることができるのは、国税に関する調査について必要がある場合で、条文が挙げる要件に該当するときだけです。作品を並べている販売サイトは、ここでいう「場」にあたります。
対面の売り方でも記録は残ります。イベントに出展すれば主催者に出展者の記録があり、店舗に置いてもらう委託販売なら、売れた分の精算書がお店の側に控えとして残ります。
申告していない年をあとから申告すると、期限後申告になります。納める所得税に、無申告加算税が上乗せされます。
割合は三段階です。調査の事前通知の前に自分から出した場合は5パーセント。事前通知の後、調査による決定を予知する前に出した場合は10パーセントで、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、50万円を超え300万円までの部分が15パーセント、300万円を超える部分が25パーセントになります。
調査を受けた後に出した場合や、税務署から決定を受けた場合は15パーセントで、50万円を超える部分が20パーセントです。300万円を超える部分が30パーセントになるのは、こちらも令和5年分以降です。
期限後申告では、申告書を提出した日が納期限になります。納付の日までの延滞税も、そのときに一緒に納めます。
売上の一部を外して申告した場合や、記録を作り変えた場合は、無申告加算税に代えて重加算税が課されます。国税通則法68条2項は、その割合を納付すべき税額の百分の四十と定めています。なお、調査で決定があるべきことを予知せずに提出したときは、条文の括弧書きによって重加算税の対象から外れます。
趣味の延長のつもりで帳簿をつけていなかった場合と、事実を隠した場合とは、扱いが分かれます。
更正または決定ができるのは、法定申告期限から5年です(国税通則法70条1項)。偽りその他不正の行為により税額を免れていた場合は、7年になります(同条5項1号)。
さかのぼって計算するときは、販売サイトの売上明細、イベントの売上メモ、委託先の精算書を年ごとにそろえます。入金のある口座と突き合わせると、抜けが見つけやすくなります。
材料費は、売れた作品に使った分がその年の原価になります。買いだめて残っている材料は棚卸資産として次の年へ持ち越しますので、年末の在庫も年ごとに拾い直すことになります。
連絡が届く前に自分から出せば、割合は5パーセントで収まります。法定申告期限から1か月以内に出していて、税金の全額を法定納期限までに納めているなどの要件を満たすときは、無申告加算税はかかりません。
青色申告特別控除のうち大きい枠は、その年の確定申告期限までの提出が条件になっています。期限後の申告は、この条件から外れます。
道具や材料をそろえて赤字になった年も、申告しておく意味があります。青色申告をしている方の純損失の繰越控除は、損失が生じた年分の確定申告書を提出し、その後も連続して提出していることが条件です(所得税法70条4項)。この条文が求めているのは申告書を出していることで、期限内であることまでは要件に入っていません。期限後の申告でも、青色申告をしていて申告書がそろっていれば繰り越せます。その年を飛ばすと、そこで繰越が途切れます。
二一次情報
所得税法 第70条第4項(純損失の繰越控除の適用要件)(抜粋)
4 第一項又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
国税通則法 第68条第2項(重加算税)(抜粋)
2 第六十六条第一項(無申告加算税)の規定に該当する場合(同項ただし書若しくは同条第九項の規定の適用がある場合又は納税申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出せず、又は法定申告期限後に納税申告書若しくは更正請求書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。
国税通則法 第70条(国税の更正、決定等の期間制限)(抜粋)
第七十条 次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。
一 更正又は決定……その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする第二十五条(決定)の規定による決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。)
5 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。
一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等
国税通則法 第74条の7の2(特定事業者等への報告の求め)(抜粋)
第七十四条の七の二 所轄国税局長は、特定取引の相手方となり、又は特定取引の場を提供する事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署(以下この条において「特定事業者等」という。)に、特定取引者に係る特定事項について、特定取引者の範囲を定め、六十日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して定める日までに、報告することを求めることができる。
2 前項の規定による処分は、国税に関する調査について必要がある場合において次の各号のいずれかに該当するときに限り、することができる。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
二 特定取引……電子情報処理組織を使用して行われる事業者等(……)との取引、事業者等が電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引その他の取引のうち第一項の規定による処分によらなければこれらの取引を行う者を特定することが困難である取引をいう。
四 特定事項……イ 氏名(法人については、名称) ロ 住所又は居所 ハ 番号(……)
4 所轄国税局長は、第一項の規定による処分をしようとする場合には、あらかじめ、国税庁長官の承認を受けなければならない。
国税庁 タックスアンサー No.2024 確定申告を忘れたとき(抜粋)
所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。
しかし、期限内に確定申告を忘れた場合でも、その事実を把握した際には、できるだけ早く申告するようにしてください。この場合は、期限後申告として取り扱われます。
また、期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告内容等によっては、納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
加算税
1 税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合
税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合は、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に5パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。
2 税務署からの調査の事前通知の後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知する前の期限後申告)
(1) 税務署からの調査の事前通知の後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知する前の期限後申告)には、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に10パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。
ただし、納付すべき税金が50万円を超えている場合、その超えている部分については15パーセントの割合になります。
また、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税金が、50万円までの部分は10パーセント、50万円を超え300万円までの部分は15パーセント、300万円を超える部分は25パーセントの割合になります。
3 税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知した期限後申告)
(1) 税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合や税務署から申告納税額の決定を受けた場合には、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に15パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。
ただし、納付すべき税金が50万円を超えている場合、その超えている部分については20パーセントの割合になります。
また、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税金が、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセントの割合になります。
5 期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税はかかりません。
(1) その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
(2) 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次のイおよびロのいずれにも該当する場合をいいます。
イ その期限後申告に係る納付すべき税金の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
ロ その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
延滞税
期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納期限となりますので、その日に納めてください。
また、この場合は、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要があります(延滞税の計算方法については、こちらを参照してください。)。
国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(控除を受けるための要件と申告期限)(抜粋)
55万円の青色申告特別控除
この55万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(1)不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書および所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、その年の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出すること。
(注4) 還付申告書等を提出する方であっても、55万円または65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、その年の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出する必要があります。
65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(1) 上記「55万円の青色申告特別控除」の要件に該当していること。
(2) 次のいずれかに該当していること。
イ その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存(下記<参考>参照)を行っていること(※注1)。
ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと(※注2)。
10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記「55万円の青色申告特別控除」および「65万円の青色申告特別控除」の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります(編集・加工を行った部分)。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。
三ハンドメイド作家の場合
所得は、売れた金額から材料費・販売手数料・送料を引いた残りです。売上の合計だけを見て「申告が必要な額に届いている」と考えている方も、手元に残ったお金だけを見て「少ないから要らない」と考えている方もいらっしゃいます。どちらの見方でも実際の所得からは離れますので、年ごとに計算してみて初めて分かります。
販売サイトを複数使っている方は、サイトごとの明細を合わせて1年分にします。イベントでの現金売上は記録が残りにくいところですので、当日のメモや釣り銭の準備額から組み立て直すことになります。さかのぼるほど記憶に頼る部分が増えますので、古い年から先に着手すると形になります。
※実際の取扱いは業態・契約・実態により異なります。個別の判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
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